映画づくりから学ぶ(えほんのこと@09.03.30)
少し前にNHKの「伝える極意」という番組をたまたま見たのですが、おぉっ!と思ったのでここに書いておきたくなりました。
映画監督の大林宣彦さんが、ちびっこ達に映画(映像?)の編集について教えている内容で、この日は既に16回目でした。(全17回だったのでもう既にこのシリーズは終わってしまってます)
16回目では、映画の編集作業につながる演習として、「組みことば」と「組み写真」という作業をしていました。言葉(単語)や写真を自由に組み合わせて、自分なりの文章を作ったり、写真に合うストーリーを考えるというものです。
で、私は「これは絵本づくりにも大いに関係する授業内容だぞ!見なくては!」と思い、食い入るように見た訳なのです。
これまでにも私は、組み写真についてはイメージした事があった(絵本のめくる効果がそうですよね)のですが、言葉も組み合わせ方によってこんなにも印象が変わってくるんだーと、大変感心したのです。
たしか、「わたし」「好き」「海」「見ている」(あれ?もう1単語あったかな?忘れちゃいました、ゴメンナサイ)っていう単語の組み合わせだったのですが、「わたしは海を見ているのが好き」と「海を見ているわたしが好き」とでは意味が違ってくるし、「わたしは海を見ているのが好き」と「海を見ているのが好きなわたし」では強調される部分が変わってくる・・・。
まだまだ応用できるまでには消化しきれていないのですが、これは今後の絵本のストーリーづくりにいかしていけたらいいなぁと思いました。
それから、組み写真の演習の所でも、おぉっ!と思いました。
ただ写真を並べて、見えている情報の範囲だけでストーリーづくりをしているちびっこに、大林監督が「事実(見えている情報)
書くだけじゃ、表現とは言えないよ」と指摘されていた所です。“どれだけイメージを膨らませて、目に見えていない部分のストーリーを考えられるか”という所でそれぞれの個性が出てくるという事なんだと思います。
その時に監督が「表現する事の面白いのは、みんなが違う所なんだよ」とおっしゃっていたのが、私にとってかなりグッときました。
自分で絵本を作ってきて、正直私も、自分の作るものについてのそのあたりにひっかかっていたのです。とくにアフロくんの絵本づくりの時の「ストーリーを考えて、それに絵をつける」というやり方では、目に見えない部分の表現が難しかったのです。
難しいので最終的に“文章を削る”という策でごまかしたような・・・。笑
そして実際その苦肉の策で、どんな効果があったのかは作った私にはなかなか分からない所なのですよねー。作った自分は細かい所まで知ってしまってるわけなので。。
それから引き続き、その番組の最終回(17回目)も見たのですが、そこではちびっこ達が実際に30秒間の映像を作っていました。作ったものを見て監督がしたアドバイスも、またまた参考になるものでしたよ。
「○○だという風に伝えたいなら、ここに××のような画が入ったほうが分かりやすいんじゃない?」とか、「ここは△△という状況だから、ズームインよりズームアウトのほうが自然な流れになるよね?」みたいな感じで、編集という意味でやっぱり絵本にも通じてくるし、分かりやすく伝えたり自然な流れを作るほうがいいって所ではデザインと同じだなぁと思えたりして。
きっと「できるだけ少ない情報で分かりやすく、なおかつイメージを膨らます事ができるようなシンプルさ」を持ったものを作れればいいんだろうなー・・・。難しそうだけれど。笑
ほんと、絵本って奥深いなぁと思います。映画の勉強もしてみたらためになるのかなぁ。