孤独のプラス面

つくりかけの絵本のストーリーに少し手を加えたりしていて思い出したのですが、
オリジナル作品をつくっている時って、楽しさと孤独の両方を感じるんです。

今の所クライアントが存在せずに、ほぼ全てを自分でつくり出していて対象を設定するのも自分なので、
作業に没頭している間は完全に一人きりです。
上手く集中できていたらかなり楽しくてワクワクできているのですが、
時々孤独を思い出してはその寂しさと戦っている。。

誰かとつくっていたら共同作業になっちゃうので当たり前なんですけど、
デザイナーとして働いていた時は本業がめちゃくちゃ忙しくて、
限られた時間の中でオリジナル作品を・・・と思っても、
その孤独感に立ち向かう元気がなかった気がします。
今になってその理由に気づけました。

でも、一人きりじゃないと独創性や創造性を発揮できない。
それも実感しています。これって「孤独」を肯定できますね。
孤独ってマイナスのイメージが強かったので、ちょっとおもしろいな。
それに気づいた時に、モノを作ることは孤独と戦うということなんだなと思ってちょっと心強くなれました。

デザインのお仕事だとほぼクライアントがいて、
クライアントの物をデザインする作業をするわけなので、
結果として自分の手元に置いておけなかったりします。
つくった物は常に新しく変化していったりして、時間がたつと跡形もなくなったりもします。
その点、オリジナル作品は自分のつくった形から大きく変化することはあまりなく、
ゆっくりと“育つ”ような感じがします。

その、ゆっくりと育つ感じがなんだか今の私にとっては癒しというか、
いつまでもつくり続けたいという欲求の素になっているのかなぁ。
それと最近、対象をきちんと設定することでどうしたら喜んでもられるかを考えられるようになれて、
喜んでくれている光景をイメージしながら作れてちょっとだけ寂しくなくなったかもしれません 笑
絵本だったら子供に読み聞かせているつもりで作ると楽しい!

有名な作家さんの作業はどんな感じなのだろう。
テレビでちょっと見たのは、編集者さんの意見も取り入れたりしていたけれど・・・。
依頼されての作業だったら何か枠が決められているだろうし。
そうなると少しは孤独感が薄くなるのかなぁ。
あぁ、コンペとかも枠があるけど、もしそれと同じだったら、
その枠の中でどれだけ自由に発想できるかという感じだな。
それはそれで、それなりの楽しさがあるかもしれませんねー。
また何かのコンペに参加してみよう。来年の目標が一つ決まりました!

目の前にある対象の向こうに見えるもの

最近自分で気になっていることがあります。

絵を見ていても、写真を撮っていても、実際見ている対象とは別の何かを見ている。
北斎さんやちひろさんの作品と、自分の撮る写真なんてクオリティとしては比べてはいけないと思うのですが(笑、
何か共通する見方をして、あぁ面白いなぁと思うんです。

それは何かというのはまだ上手く表現できないのですが、
構図とか、線の持つ流れ?というか、なんというか。。うーん。難しいな。

自分の撮った写真の中の好きな1枚を例にあげてみます。
すすき

これは、すすきです。
それは当たり前に誰でも思うことだと思います。
私がこの写真をどういう風に好きかというのを細かくあげてみると、

  • 空とすすきというシンプルなモチーフであること。
  • 空とすすきの面積。すすきの本数。
  • すすきが生えている下から上の方向に流れを感じること。
  • その流れは流れっぱなしではなく穂にほどよく重心があって、静止画なのだけれど、揺れるようなイメージがわくこと。
  • 空はほんのり赤く、雲によって空の中でも重心が下で、上に向かって開放感があり、すすきから感じられる上下の流れのイメージを手伝っているなど、単調じゃないこと。

細かいけれど、、こんな感じです。

たぶん、「これはすすきの写真だ」という印象だけで見終えてしまう人もきっといると思うので、
撮った本人が一番感動しているのかもしれないなと思いました。
それでプロは自分以外の多くの人とその感動を共有できてるって事なのかなと。。
写真って撮った本人が感動した風景を、本人の感性でトリミングした絵って感じですよね。
けれど絵でも同じ事が言える気がするな。この辺の感覚を探るのが最近楽しくなっています。

なんだか良い構図には法則がある気がしています。
今は自然の作り出す流れやフォルムなどがキーになるんじゃないかと思っているのですが、
どうなんでしょう 笑。

でもひとまずカメラのファインダーをのぞいてシャッターを切る事は、
構図を決めるトレーニングにかなりなっている気がします!
写真から一時遠のいていたけれど、またハマっちゃいそうです♪

荒井良二さん@プロフェッショナル 仕事の流儀

今日の「プロフェッショナル 仕事の流儀」に、
絵本作家の荒井良二さんが出演されていました。

荒井さんに出会った数年前は、
カラフルでラフな感じのかわいい作風だなぁという印象はあったんですが、
じつは長新太さんの方が好きだったんです。
けれど最近その自由でダイナミックな感じに胸がきゅっとなった事があって気になっていた所の出演。
これは見なくては!とテレビにかぶりつきました。笑

自由で楽しげな作品の裏にはやはり荒井さん流の大きいベクトルが存在していました。
うまい表現ではないかもしれませんが・・
自分の中の「おとな」と常に心の中で戦っているそうなんです。
おとなは上手くまとめようとしてしまうけれども、
それでは当たり前になってしまう。とにかく自由に!と。
実際に、絵本づくりの現場に密着していたのですが、
絵の描き方も、とにかく最終型のイメージをせずに手を動かして、
当たり前の発想を避けつつ「ひらめき」の繰り返しをしていました。

これは、ひらめく事ができる時はかなり楽しそうだけど、
先の見えない分(あえて見ないのだけど)かなり不安もあるだろうな。。
そのリスクに立ち向かって乗り越え続ける所がプロなのですね。ステキです。
荒井さんも手をどんどん動かしている時はこどものように楽しそうないききとした顔をされていたし、
逆に手が止まってしまった時はずーんと重い表情をされていました。

印象的だったのは、絵本のサイン会で小学生にこっそりと、
「下書きの線消したほうがいいよ・・」と注意されて、やったー!って喜んだというお話。
こどもに身近な作品に仕上がってる事が証明されたからだそう。
確かにそういう目線というのでしょうか、何に向けて描くのかをちゃんと意識するのって大切ですよね。
なるほど、そうすれば自分の殻にこもったような作品になりにくいのかも・・

それと、お家の中も印象的でした。
荒井さんはあらゆる家電たちに顔を描いてあいさつをしていました。
冷蔵庫、やかん、炊飯器・・・もっと色々あったのに思い出せないけど、
それぞれがかなり愛らしくて、うわぁぁあっとなりました 笑
あんなにかわいいコ達に囲まれてたら楽しいだろうなぁと思うけれど、
きっとそれは、自分の心次第なんですよね。
常に好奇心のアンテナを働かせて自分の中のこども心を引き出していると、
日々の感動や発見がいつかの作品の材料になるかもしれないし、
そうじゃなくても毎日が楽しくなりそう!

荒井さんは、はじめて絵本をつくろうとした時に、
こども達はどんなことに喜ぶのかなーと悩んで、
最終的に、そうだ、こどもの頃の自分が喜びそうなことをすればいいんだ!
とひらめいて、動き出せたのだそうです。

私も荒井さんのような大きなベクトルにはできないかもしれませんが、
毎日を楽しく過ごして、よい作品につなげられればなぁとワクワクできました。
自由にのびのびといこう♪

荒井良二さんのホームページ

「プロフェッショナル 仕事の流儀」番組ホームページ

「プロフェッショナル 仕事の流儀」をみました

今日は「プロフェッショナル 仕事の流儀(NHK)」をみました。
初めて知ったのですが、アナウンサーの住吉美紀さんと脳科学者の茂木健一郎さんが色んなプロフェッショナルな人を迎えてお話を聞く番組のようです。(こういうの、とても好き♪)

今日は<クリエイターたちの言葉
>と題するトークスペシャルで、アートディレクター・佐藤可士和さん、デザイナー・吉岡徳仁 さん、建築家・隈研吾さん、装丁家・鈴木成一さんが出ていました。以前放送済みのその4人の回の印象的な言葉をクローズアップした特集といった感じでした。

全員のおっしゃっているあらゆる事に共感できて心が揺さぶられたし、茂木さんの質問の切り口も、脳科学者としての視点からだからかとても興味深かった。そして内容には関係ないけれど住吉アナウンサーの衣装や髪型、彼女自身の雰囲気もとても好きな感じですごく気になってしまいました。笑 住吉さんは紅白の総合司会をやるあの人なんですねー。なるほどと思えました。

気になってmixiで番組のコミュニティーを探してみてみたら、住吉さんと茂木さん本人からのコメントもあったりして、とてもあたたかな雰囲気。茂木さんの事も知りたくて少し調べてみたら“「クオリア(感覚の持つ質感)」をキーワードとして脳と心の関係(心脳問題)を研究している”とのこと。私自身も前々から「クオリア」を感じていて気になっているので、茂木さんの著書も読んでみたくなりました。

佐藤さんや吉岡さんが言っていた、「まずは本質を知ってから余計なものをそぎ落としてシンプルにする」「シンプルにすることが一番強いエネルギー発揮できる」ということ、隈さんが言っていた「その場(現場)にいかないと分からない何かがある」とか「まわりの環境に負ける(なじむ)ものを作る」「制約がある中に(無難じゃない方向に)逆に面白い答えがある」ということ、鈴木さんの言っていた「売れる売れないに関係なく自分の納得するまでやる」「持続していれば、本当にいいならいずれ評価は身内以外の誰かがする」ということが心に残りました。(すみません、かなり私自身の解釈が入ってると思いますが・・・)なんだか鈴木さんだけが特に職人ぽくて、ずっとずっと努力してここまで来られたんだろうなぁという感じがしました。

きっとほかの人は全然別の言葉が心に残るのかもしれませんし、別の解釈をするのかもしれません。
私の心に残ったこれらの言葉は、どこか自分の状況にも通じるものがあるのだと思います。今自分の向かっている方向へ後押ししてくれる言葉だったり、努力しようと思える言葉だったり。いずれにせよ前向きな気持ちにさせてくれました。感謝。

12/11は日本を代表する絵本作家の一人である荒井良二さんの回のようなので、これは見なくちゃ!!と思います〜。

「プロフェッショナル 仕事の流儀」番組ホームページ

山を見て気づく

エビアン山
最近遠くに見える山がどうしてもエビアンに見える。
よくある雪山のイラストのあの表現は結構リアルなものだったんだなぁと思いました。
特に日が傾いてピンクがかった時。まさにエビアン・・・。
自分も今までこんな風に描いたことがあるのに、
実物をみて今さらそんな風に思うなんて。。
じゃあ今までは何かの絵の印象を元にして描いてたってことか?

自分のイメージの中には、結構誰かの表現したものが元になってることがあるんだろうなーと、気になってきました。
特に自然に関する、お花・葉っぱ・木とか。なんとなく描くけど、あの種類は?わからない。。きっとかなりたくさんありそう。。

できれば自分の表現するものは、自分独自のイメージで作りたいって思う。難しそうだけれど・・・
そしたら色んな実物をみてスケッチでもすればいいのかもしれないですね。
なんか今まで持っていたスケッチとかデッサンのイメージがちょっと変わったかもです!発見だ!

栗と北斎とセーラさん

今日は小布施に行ってきました。

まず、栗かのこの「桜井甘精堂」のロゴやパッケージの雰囲気が好きです。
これは昔ながらのものなのかなー。すごく気になります。

そして、セーラ・マリ・カミングスさんというアメリカ人(かな?)の女性が小布施の街へ与えた影響も気になります。(←だんなクンから聞いた)
セーラさんが再構築に関わったという「桝一市村酒造場」のお店を見たけれど、
日本の伝統の良い所を残しつつ今にも通じる雰囲気になっていて、すごくステキでした。

あと、葛飾北斎が好きになりました!
恥ずかしながら今日はじめて北斎館で北斎さんの絵をまとめて見ました。本当に面白くて、ぞくぞくしました。とてもデザインされてる。。かっこいい。。

気づくのが遅かった事が悔やまれるけど、
逆に遅れても気づけた事がうれしい。
そして自分の国の好きな所が増えたのもうれしいです。
今日出会った事達から少しでもいい影響を受けられれば!

色々ステキで気になって楽しかったけど、
すごく寒かった!もっと着込んでいくべきだった・・・

桜井甘精堂
※サイトにはあまり私の好きな雰囲気が出てないなー。

桝一市村酒造場

株式会社文化事業部(セーラさん関連で)

絵本展に参加します

アフロくんのひきだし

先日、あるギャラリーから春の絵本展のお誘いをいただきました。
またオリジナル作品づくりの時間を持ちたいなぁと思っていたし、
過去のオリジナル絵本の世界を広げるきっかけにもさせていただけると思い、参加を決めました。

またお話が進んだら詳しくお知らせしようと思います!

「アフロくんのひきだし」という絵本はまさに作成中で制作が止まっているので、
春には完成させられるんだなー思うとなんだかうれしいです。

そうそう、アフロくんを見てもう一つお仕事のお話が。
アフロくんが紙媒体デビューです。
このコとは何年も一緒に暮らしているような気分なので、
こんなこともあるんだなぁと、しみじみ思います。
こちらもお話が進んだらお知らせします!