10月の全ページ試し読みできる絵本
本屋さんでなんとなく手に取って一目惚れするみたいに、本を買うのも楽しいですよね。そんな思いで絵本作品を公開しています。
普段は冒頭の数ページのところ、いま、2作品ピックアップして全ページ読めます。
今月は2017年制作の『ええっと たぶん かなったな』と、2008年制作の『アフロくんのひきだし』です。
どうぞアクセスしてみてください!
※全ページ公開は終了しました(2019/11/1)。
本屋さんでなんとなく手に取って一目惚れするみたいに、本を買うのも楽しいですよね。そんな思いで絵本作品を公開しています。
普段は冒頭の数ページのところ、いま、2作品ピックアップして全ページ読めます。
今月は2017年制作の『ええっと たぶん かなったな』と、2008年制作の『アフロくんのひきだし』です。
どうぞアクセスしてみてください!
※全ページ公開は終了しました(2019/11/1)。
絵本のLINEスタンプ『ぼくのかいたい おめん と めがね』『ええっと たぶん かなったな』の2作品リリースしました。
絵本たちの世界は、みなさんに読んでもらう事で広がっていくようです。存在を知ったり身近に感じていただくきっかけになればと思い、たっぷり40個ずつ制作しました。
▼絵本『ぼくのかいたい おめん と めがね』スタンプ
https://line.me/S/sticker/9251509
▼絵本『ええっと たぶん かなったな』スタンプ
https://line.me/S/sticker/9188379
[検索ワード]→クリエーターズ内で「おめんとめがね」「ええっと たぶん」で出てきます。
*
https://slowlygrow.jp/picturebook/index.html
絵本の試し読み、ぜんぶ読める作品が一定期間で変わります。 この機会にぜひお読みください。ご感想もお待ちしています。
大阪 中崎町の 乙女屋さんで絵本3作品『ええっと たぶん かなったな』・『ぼくのかいたい おめん と めがね』・『くまのくまっくる』を取り扱っていただいています。
絵画、ぬいぐるみ、人形、アンティークなどの乙女屋さんこだわりの品々の中に、特に『ええっと たぶん かなったな』の居場所をみつけてもらえた気がしました。 お近くにおいでの際はぜひ。
乙女屋
大阪市北区浮田2-7-9
14:00 - 18:30(sun -18:00)
定休日・営業時間は変動します
http://otomeya.ocnk.net/
9月からカフェ「月とビスケット.」さんの販売スペースで、絵本2作品『ええっと たぶん かなったな』・『ぼくのかいたい おめん と めがね』を取り扱っていただいています。
おいしい焼き菓子とコーヒーと、絵本や児童書なども読める幸せな空気が流れる空間に、私もよく癒されにいきます。お近くにおいでの際はぜひ。
月とビスケット.
安曇野市穂高柏原4326-8
木曜 - 土曜
10:00am - 4:00pm
0263-87-7031
このサイトslowlygrow.jpが新しくなって、動きがついたり、スマホ対応になったり、絵本が読めたり、買えたりするサイトになりました。
ご紹介したいのは下記の2点。
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実際に手に取ってページをめくる感覚に近くなりました!大きな画面だとより楽しめます。 スマホでは横長画面にしたり、指二本で拡大してみるのがおススメです。
数点ずつ入れ替えながら公開する予定です。9月は5作目(最新)の『ぼくのかいたい おめん と めがね』と、1作目『くまのくまっくる』の2作品をお楽しみいただけます。その時に全部読める絵本には、下記のようなマークがついています。
読まれる→売れる→作者やる気up! 今は絵本だけですが、いずれ抽象画なども買えるようになるかも? 売上げは次の絵本を印刷・製本する資金へ。 クレジットカードも使えます。 ストアは今後、絵本の写真や、買い物の流れが分かるページを更新予定。
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そんなわけで、みていただけるとうれしいです。
よろしくお願いいたしします!
なきたいとき からだのまんなかあたりに あめをふらせる エンが、あるひ であったイモムシのモムをたすけるために、ねがいがかなったりかなわなかったりする ふしぎなばしょロモチへのたびに出かけます。
心の種火を確認するように描き始めました。
『ええっと たぶん かなったな』え・ぶん カワカミサエコ
エンは なきたいとき、
からだの まんなかあたりに こっそりあめをふらせます。
そうすると めからなみだが でないので、
まえは 「なきむしエン」とよばれていたけれど、
いまではすっかり ただの「エン」です。
「なきむしエン」だったころは、
なみだでせかいが にじんでみえて ころんでばかり。
あぶなくて おさんぽさえも みんなにやめろととめられて、
おうちでひとり ないてばかりのまいにちでしたが、
ただの「エン」になってからは、
こっそりあめをふらせながら なんでもできて
みんなとたのしく くらせています。
そんなあるひ、
「だいじょうぶ?」と こえをかけられました。
さいきん ひっこしてきた おむかいさんです。
エンは ドキッとしました。
とっさに「ええっと、なんのこと?」などといって とおりすぎましたが、
おむかいさんなので まいにちかおを あわせてしまうのでした。
「きみ、だいじょうぶ?」
「ねえねえ、だいじょうぶ?」
「おーい! ほんとうに だいじょうぶなのかい?!」
こまったことに そうきかれればきかれるほど、
エンはどんどん なきたくなるのでした。
そして とうとうこらえきれなくなって、
めから なみだがこぼれてしまったのです。
エンはおどろき いちもくさんに にげだしました。
むらのはずれの はらっぱのおくの
せのたかい くさむらのなかに かくれて、
めからながれるだけの なみだをながしました。
そして さいごのなみだをぬぐいながら
エンが「はぁ、かえりたくないな…」と つぶやくと、
こんどは ほかのだれかがなきだしました。
「ぼくは、かえりたいよ…」
いもむしのモムでした。
モムは なきながらいいました。
「とりにつかまり いのちからがら にげだしたのはいいが、
おっこちたのが ここさ。このあしで やまは あるけないだろう?
なかまと ロモチであうやくそくなのに、はたせないんだよ…。」
ロモチが やまのうえのほうにある ということは
うわさに きいたことがあります。
ほんとうにかなしそうな モムをみて、
エンも なきたくなってしまいました。
「ええっと… わたしなら、あるけるかもしれない。
わたしが いっしょにいくよ。」
エンも きょうはかえりたくなかったので、
ちょうどよい ようじだとおもったのです。
モムはとてもよろこびました。
やまにはいると ふかいもり。
ながいくねくねみちが、ずっとおくのほうまで つづいていました。
ちかみちをしようとすれば イライラクサの しげみのトゲトゲが
チクチクささっていたいので エンはなきたくなりましたが、
モムのはなしをきいていると なんとかきがまぎれます。
「ロモチはね、みちのりが けわしかったり なんてことなかったりとか、
ねがいが かなったり かなわなかったりする ふしぎなばしょなんだって。
めじるしは、タブンノキ とよばれる おおきな き で、くちぐせがね…」
さいごまで はなしおわらないうちに モムはだまってしまいました。
さなぎになったのです。
さなぎになったモムは つきあかりがすけて
ほうせきみたいに きれいでした。
エンは あるきながらなんどもながめ、タブンノキのくちぐせは
やっぱり “たぶん” かな?とかかんがえて きをまぎらせました。
「おお。それは“たぶん”、ロモチョウのさなぎだよ。
「あ!あなたは、タブンノキさん?」
「ああ、そうだよ。たぶんね。」
エンは すこしわらってしまいました。
じぶんのなまえなのに、たぶん だなんていうひとに あったことがなかったからです。
そんなエンをみて き もにっこりしました。
「わたしのことは、みんな すきかってによぶ。
いまは タブンノキ とよばれている 。おそらくね。
わたしは きがついたらここにいた。
いままで たくさんのことを ひとからきいてきたが、なにしろ ここからうごけない。
じぶんで たしかめたことがないから たぶん なのだよ。」
「ええっと、ここがロモチという ばしょなのですか?」
「それもよくきかれるのだが、
たぶんここは ロモチというばしょではない。
かんがえるに ねがいをかなえるのは、ここ、ロモチ。
コ、コ、ロ、モ、チ、しだい。ということなのだろう。おそらく。」
エンはしばらくかんがえましたが、
よくわからなくて なきたくなりました。
「そんなときはたぶん、ふりかえらず、ただおもうがままに
まっすぐすすんでみればいい。おそらくそれでいい。」
そのとき「おはよう」とこえがしました。
みてみると はねがすこしぬれてくしゃくしゃした チョウがいます。
「モムさん?!だいじょうぶ?!」と エンがきくと、
「うん だいじょうぶ、すぐかわく!」と げんきにこたえました。
すっかりきれいなチョウになったモムは、ぎこちなくとびたちました。
「やくそくのばしょは このおくだよ。ありがとう!いくね!」
エンはおいかけました。
もりをぬけると モムとそっくりなチョウが たくさんいて、
いっせいに とびたとうとしていました。
「そういえば、キミのねがいはなに?いってみなよ!」モムのこえです。
「わたし…わたしは、、つよくなりたい!」エンのこえがひびきわたりました。
でもどういうわけか、さけびながら なきたくなってしまいました。
「あーあ。かなわなかったな」
チョウたちがとびたつと あたりがよくみえて
なんぼんかのみちが あらわれました。
タブンノキ がいったとおりに まっすぐすすんでみると、
のぼってきたみちよりも すこしあるきやすく
ちがったけしきが みえました。
いえにつくとほっとして、エンは さっそく なきたくなりました。
すると、やっぱり おむかいさんがやってきました。
「だいじょうぶ?」
「ええっと… だいじょうぶ、すぐかわく!たぶん…ふふふ。」
エンは ロモチのことをおもいだして すこしわらってしまいました。
すると それにつられて おむかいさんも くすくすとわらいました。
あいかわらず、エンのまんなかのあたりは あめふりなままでした。
おしまい
今日は Gettin’ Happy!展 の最終日でした。
あっという間の5日間。足を運んでいただいたみなさま、応援してくださっていたみなさまも、どうもありがとうございました。
今回は自分の分岐点のような時期と重なった展覧会で不安もあったのですが、作品を一緒に観ながら感想を聞く事がいつもと違い素直に嬉しく感じられたので、とてもホッとしました。あたたかい言葉がじわじわと肌にしみ込んで行くような感覚です。
またそんな中で、作家さんともお話ができた事も、とても参考になったし楽しくて参加して良かったなあと心から思えました。どうもありがとうございます。
このような良い機会をくださったミレージャギャラリーさんにもいつもながら感謝の気持ちでいっぱいです。
また引き続き作品をつくっていきたくなりました。頑張りたいです。
Gettin’ Happy!展、はじまりました!
銀座 ミレージャギャラリーさんで、21日(月)までです。