ええっと たぶん かなったな
エンは泣きたい時、からだの真ん中あたりに雨を降らしながら、笑顔で暮らしていましたが、ある日引っ越してきたおむかいさんの前で泣いてしまいました。 逃げ込んだ原っぱで出会ったのは…。
*ちょっと大人の向けお話かもしれません。
2017年12月制作、4作目の絵本。
(2019年5月自費出版 - 2020年6月kindle発行)
登場人物
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エン
泣き虫な自分がイヤでイヤで仕方がなくて、いつからか“からだの真ん中に雨をふらす”という涙をこらえる術を身につけました。自分では強くなれたつもりでいます。
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おむかいさん
エンが自分と“むきあう”きっかけになる、“おむかい”へ引っ越してきた人。
涙をこらえているエンの事が気になって、会うたびに声をかける心配やさん。はじめはエンにとって、嫌な存在。 -
モム
イモムシのモム。エンにロモチの噂を話したり、幼虫からサナギを経てチョウまでの変身する姿を見せてくれます。
群れで旅するロモチョウ。この辺りでの唯一の居場所は山の上のロモチです。海を渡るアサギマダラというチョウがモチーフになっています。 -
タブンノキ
世の中は知れば知るほど分からなくなるようなイメージからこのような、断言はしないけど知識豊富で不思議なキャラクターが生まれました。
この木の上にはいつも、知恵の象徴であるフクロウたちが集います。
こんな気持ちで作りました
エンの「すぐ涙が出てしまう」というような“自分の欠点”は出来れば無くなってほしいものだけれど、気にしすぎるとさらにやりにくくなってしまったりもします。ある程度の所まで来ると、そういうものだと諦めて受け入れるしかない。でも頭でそう思えてはいてもなかなか簡単にはいきません。
エンは家を飛び出したことがきっかけで、偶然出会ったものたちから何かを得たのでしょう。最終的にほんの少し頭が切り替わり笑うことができました。環境を変えてひたすら目の前の事を頑張ってみたら可能性が広がることもあるんだと思います。確信は持てなくてもそのうちなんだか大丈夫な気がしてくる、そこまで来れればもう安心です。