memo
日々のものづくり&気になることいろいろメモ

ちひろ公園の小さな池

ちひろ美術館のビオトープ

カエルが石からポチャンと飛び込んで、スイスイッというか足をヒラヒラッとさせて光る水面をくぐり、泳いですぐそばの石に飛び乗る。動く水面。周囲の水面と水草がタプンッと揺れる。泳いでいる姿がかわいい。
コンマ何秒の間の事だけれど、これだけの事が見られてうわぁっと感動しました。ちひろ公園の池で見た光景です。

以前、クモの巣でクモが獲物をしとめる瞬間の話を聞いた事があります。クモが動き出すタイミング、どこからどんな風に糸を出すのか、獲物を糸でぐるぐる巻きにしてすぐに食べないで置いておいていつ食べるのかとか、それも数秒間の世界で図鑑を読むだけでは味わえない感覚があるという事で、私はその話を聞いただけで感動もしたのですが、今回このカエルが水に飛び込む様子を見て、やっぱり実際にその光景を目の前にすると全然違うんだと思いました。

きっと、さっきの私の文章を読んだだけでは、カエルと水面と石と水草しかイメージの中には現れない。けれど実際は周りに色んな生き物がいて、水がタプンッと揺れた時にびっくりして一斉にあちこちへ動いて逃げたりもしていました。 みんながびっくりするけれど、カエルは遠慮なしにあちこちで同じように飛び込んで泳いでいる。周囲はびっくりするけれどすぐに何事も無かったように元の様子に戻るのです。 ほかにも、全く音も無く水面に窪み(アメンボの水面張力のような)すらつけないで静かにさささっと移動する虫もいます。

ほかに印象に残ったことは・・ ------------------------ アメンボ、1匹ほかよりも大きいのがいる。ほかのを追い払っている。 中くらいのがいる。小さいのもいる。もっと細かいちっちゃいのもいる。アメンボはアメンボでも色んな大きさのがいるんだな。そして大きいやつは偉そうだ。 とても小さいクモみたいな虫が石の上にいる。歩き出してそのまま水に入った・・と思ったら同じ速度で、同じ調子で水面をササササササ・・・っと歩いた! 同じように歩く、今度は小さな小さなハエのような虫も。こいつらは仲間の数匹と一緒に水面に立ち止まってじっとしている。アメンボ以外でも水面を歩ける虫がいるんだなー。
息子が、蝉の抜け殻だ!と言って持ってきたのは、おそらくヤゴの殻。そうか、抜け殻って蝉だけじゃないんだ〜。 今度は卵だ!複数の小さな卵がくっついた状態で水面に浮いている。すると背中にびっしりこの卵をくっつけて泳いでいる虫が。ぱっと見ゲンゴロウ?と思ったけどカメムシの仲間のコオイムシのようだった。これは図鑑の知識だけれど、卵を背負ってるのはオス。イクメンな虫なのだそうだ。 ------------------------ などなど。

子どもたちもイキイキと池に入ってみたり石をどけてみたり。メダカもいるので網を持って救おうとしている子もいました。 私も最初池を見た時は「水草が生えちゃってるな〜。この水草は確かテレビのニュースで諏訪湖かどっかで毎年取り除く作業をしてて大変だって言ってやつだ」って、ちょっと悪い印象を持ちました。 でも、子どもはいち早くこの豊かさに気づいたのか、その場を離れようとしません。そのおかげで私も座って池を眺め、こんな光景を見られたのでした。子どもは面白いことに気づく天才だなぁと思いました。

と言っても、きっと子どもはどんどん忘れていってしまう。そばで見ている大人が一緒に体験して、心に刻むような・・こうやって文章にするような事って実は大切なのかもしれないなーと思います。